何かを食べた時に「うまい!」「おいしい!」と感じられると、それだけで幸せな気分になりますよね。
味の要素には甘味・塩味・苦味・酸味・うま味があり、まとめて「基本5原味」と呼ばれます。
言葉が似ているため「うまい(おいしい)=うま味」と認識している人もいるかもしれませんが、この2つは大きく意味が違います。
そこで今回は“うま味”にスポットを当て、環境スペースのスタッフが詳しく解説します。
■「うま味」ってなに?
うま味とは、主に次の3つの成分から成り立っています。
・グルタミン酸塩(アミノ酸)
・イノシン酸塩(核酸)
・グアニル酸塩(核酸)
古くから親しまれてきた他の要素と違い、うま味が発見されたのはほんの100年ほど前でしかありません。
しかも、発見したのは日本人でした。
日本では出汁の原料として馴染みの深い、昆布から取り出されたグルタミン酸塩によってうま味要素が確立されたのです。
科学的に立証される前から日本人はうま味を感じ、日常的に味わっていたのですね。
■うま味は相乗効果でパワーアップする!
主に3つの成分からなるうま味は、それぞれに含まれる食材が異なります。
・グルタミン酸塩…海藻や野菜、乳製品
・イノシン酸塩…肉類や魚介
・グアニル酸塩…海苔や干し椎茸
これらは単体でももちろんうま味を感じられますが、複数のうま味を組み合わせることでより一層強く感じられることが科学的に証明されました。
その割合はなんと4~8倍と大きく、これを「うま味の相乗効果」と呼びます。
効果がもっとも現れるのは1対1の割合で組み合わせた時であることも分かっています。
昆布(グルタミン酸塩)と鰹節(イノシン酸塩)で取った合わせ出汁がおいしいのは当然だったわけです。
■うま味の相乗効果がもたらすメリットとは?
「おいしくなるならそれだけで十分じゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、うま味の相乗効果には意外なメリットがあります。
それがダイエット効果です。
うま味の強い食事では塩分や油脂に頼らずに食べ進めることができるため、健康的なメニューが叶います。
また、少ない量でも満足感を得られやすいことからトータルの食事量を減らす効果があるとの研究結果も出ているなど、ダイエット効果が期待できます。
発見されてまだ新しいうま味ですが、出汁の文化が根付く日本では親しみのある味の要素です。
何気なく作っていた食事でも、うま味の相乗効果を意識して食材を組み合わせればダイエットも期待できますよ。